今回は、連立漸化式の解き方について解説します。
連立漸化式とは
連立漸化式とは異なる数列を含む複数の漸化式のことです。それ単体で出題されることは少ないですが、確率漸化式などを解く際に、途中で出てくることが多いです。また、今回は全て数列を全て与えた上で、解く形式となっていますが、与えられた条件から連立漸化式を立式しなければならないことも多いです。
連立漸化式の解き方3パターン
ここからは、具体的に連立漸化式の解き方3パターンを紹介していきたいと思います。
まず、①係数に対称性がある場合は、それぞれの漸化式の和と差をとり、漸化式の再構成をし、解いていくことになります(対称行列型の連立漸化式)。ただ、係数に対称性はない場合の方が多いので、基本的には②で解いていくことになります。
一般に、②係数の配置に対称性がない場合が多いです。このときは、(a)と(b)2つの解き方を示しましたが、どちらで解いても構わないです。好きな方で解いてください。
係数の配置に対称性がある場合
では、具体的に問題を見ていくことにしましょう。
例題1:係数の配置に対称性がある連立漸化式
まずは、係数の配置に対称性がある連立漸化式について解いていきます。
方針
与えられた連立漸化式の係数に対称性があるので、和と差で漸化式の再構成をします。
このように、係数の配置に対称性がある連立漸化式を対称行列型の連立漸化式と呼ばれることがあります。昔、行列が教育課程に入っていた頃では、そのように呼ばれていました。対称行列については、大学の線形代数という講義を履修すれば、多分勉強することになると思います。
ここで、演習してみましょう。
演習1:係数の配置に対称性がある連立漸化式
係数の配置に対称性がない場合
係数の配置に対称性がない場合は、\(\{a_n+\alpha b_n\}\) が等比数列になる\(\alpha\)を求めて再構成するか、一方の文字を消すことで\(n\)項間漸化式を導き、それを解いてください。どちらでも構いません。
では、具体的に問題を見ていくことにしましょう。
例題2:係数の配置に対称性がない連立漸化式
まずは、係数の配置に対称性がある連立漸化式について解いていきます。
与えられた漸化式には係数の対称性がありません。よって、\(\{a_n+\alpha b_n\}\) が等比数列になる\(\alpha\)を求めて再構成するか、一方の文字を消すことで\(n\)項間漸化式を導き、それを解いていきます。今回は、両方で解いてみることにします。
(a)等比数列になる\(\alpha\)を求める解法
(b)一方の文字を消し,3項間漸化式を導く方法
こちらの方が連立方程式で馴染みのあるやり方で分かりやすいかもしれません。
ここで、演習してみましょう。
演習2:係数の配置に対称性がない連立漸化式
まとめ
以上が、連立漸化式の求め方でした。今回は式が2本の連立漸化式を扱いましたが(2元連立漸化式),ごく稀に式が3本以上の連立漸化式が出題されることもあります。その場合も同様の方針で解けばOKです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。